「雨音〜。」
「あ、早苗。」
担任の長い話が終わると始業式だ。
雨音は友達と体育館に向かう。
俺は一人。
まぁ一人が好きだからよ。
すると
「黒澤だよな!」
…あ?
ツンツンに立てた茶髪、シルバーのピアスを両耳に二つずつ着け、シャツのボタンは結構開け、パンツは腰パンで派手なベルトを着け…
明らかにチャラ男と言われてもおかしくない男子が俺に声をかけて来た。
なんだよこいつ…
「そうだけど?」
なんだし……
「俺、高山健太!よろしく。」
「よろしく。」
俺は奴に言う。
「一緒に体育館行こう。」
奴はそう笑って言った。
別に俺は人間の友達なんていらないのに……
悪魔界にいる時も周りの奴らと距離を置いてた。
親しい奴が多いほど短命という周りも俺も運命に苦しむからだ。
だから
本当の幸せなんて俺は知らないで長生きしようとしてる。


