「美味しい!」
「雨音よく食べるねぇ。なのに細いとかずるーい。」
「細くないよ〜。」
――夕飯の時間。
俺らは班で食べる。
「あ!雨音…でもにんじん残してる…」
雨音の友達が言う。
「だって苦手だし…」
雨音が言う。
にんじん苦手とか子供?
全く…
「雨音。」
「…ん?」
雨音は俺を見る。
「にんじんよこせ。」
俺が言うと雨音は笑う。
可愛い奴…
……って俺!
俺は雨音の残したにんじんを食べる。
そして
「これももらうわ。」
俺はみかんを雨音から奪う。
「え?楽しみにしてたのに…」
「残したにんじん食ってやったんだからいいだろ?」
「響君ひどいよ〜。」
雨音が言う。
「いいだろ!みかんくらい。感謝してないのかよ。にんじん食べてやったのによ。」
「誰も頼んでない!」
雨音が言うと俺は笑った。


