「余計な事すんじゃねぇよ。俺は魔術で何とかできる。」
「でも…」
「今回は運が良かった。でも…雨音、あいつに殺されてたかもしれないんだぞ?」
「……え……」
「悪魔の力は人間には大きすぎる。もうあんな危険なマネするな。」
響君が言った。
「響君……。」
「痛み止め打ったから大丈夫だ。ケガの事は何とか親にごまかせ。」
響君はそう言うと部屋を出ようとした。
「ひ、響君!」
だけど私は響君を呼び止めた。
「…あ?」
響君は私を見る。
「どうしてあの悪魔、響君を狙ってたの…?」
気になってたんだ…
「悪魔界じゃ俺は男に好かれてないんだ。」
響君が言う。
好かれてない?
「響君を守ってくれる人いないの?」
私は響君に聞く。
また何かあったら…
「いない。俺は一人が好きなんだ。」
響君は切ない表情で言う。
そんな表情されたら
ほっとけないよ…


