「懐かしい…」
――電車が駅に着くと私は言う。
時間かかったなぁ…。
高校を卒業した後、希望した大学に通う為、地元を離れアルバイトと仕送り支えながら一人暮し始めた。
そのまま今の会社に入っても一人暮らしをずっと続けて…
実家にはあまり帰らなくて……
だから
久しぶりっていうか
懐かしいっていうか…
「後でさ、色々な場所行こっか。懐かしいし。」
「…うん!」
響君が言うと私は笑って応える。
響君とここに戻れて
嬉しいなぁ……。
響君が隣にいる。
それは本当に本当に
嬉しい事。
私は久しぶりの街を見て嬉しくてテンションが上がり中。
すると
「…雨音、俺…親父達に言うよ。」
響君が突然、真剣な表情で言う。
「……へ?」
何を…
「…雨音と結婚したいって。」
響君が言う。
……え……
――ドキン…


