ご両親への挨拶ってやつ…?
「いいよ。」
私はそう答える。
「ありがとう…」
響君はそう言うけど表情は不安そう。
響君……?
「…どうしたの?」
私は響君に聞く。
すると
「…俺、人間になってから一回も家族に会ってない……」
響君が私に言う。
……あ……
不安…なんだね。
人間になって戻った自分を家族はどう見るかって。
でも……
「…大丈夫だよ?響君の家族、みんないい人だし。分かってくれる。」
私は響君の手を強く握り言う。
「…ありがとう。」
響君が言うと私は響君の頭を撫でる。
すると
「いつもと立場逆転だな。」
響君が笑って言った。
どうか…
響君の家族が温かく
迎えてくれますように。
大丈夫だよね?
だって
悪魔じゃなくても
響君は響君だもん。
私の大好きな
響君だもん…。


