「よし、頑張るぞ!」
私は服の袖をまくり、エプロンをして言う。
響君が喜んでくれると
いいなぁ……
「えーと…まずは…」
私はケーキを作ろうとする。
だけど
――ギュッ
「ひ、響君……?」
響君は私を後ろから抱きしめる。
「け、ケーキ作れないよ〜。」
ひ、響君ってば……
「…ずっとこうしたかったんだよ。悪いか?」
響君が言う。
「……っ……」
響君……。
私も
本当はずっとこうしたかったよ。
一人で頑張ろうって思っても
たまーに響君を思い出して
辛くなる事はまだあったよ。
だから
今感じてる
この温もりや匂いが
夢みたいで…
響君とまた会えるなんて思ってなかったから
本当に嬉しくて……。


