――7年後。



「…俺、鈴村さんの事、前から好きでした!」



「…ごめんなさい!」



私はそう言うとその場から離れる。





「…また断ったの?」


職場に戻ると同僚の山澤さんが言う。


「はい。好きじゃない人と付き合うのは嫌なんで。」



私は笑って答える。


「真面目だねぇ。あの子、こないだ入って来たばっかの若い新入社員。ショックで会社辞めちゃうかもねぇ。」


「無理に付き合うの嫌なんです。」


私は山澤さんに言う。


まだ


私は忘れられないんだ。


上手く新しい恋に
踏み出せない。


今だに


好きって気持ちは
残ってるから。


だから


私はただ


いまだに彼を想いながら生きてる。


簡単に忘れるなんて
できないから。



ずっと胸元には響君がくれたネックレスが光ってる。


大切なお守りなんだ。