「…これ…」
「雨音ちゃんの為に魔術で隠してた。そろそろ読むべきだよ。」
響君の叔父さんはそう言うと鏡の中に消えた。
響君からなの……?
私はドキドキしながら紙を開く。
〈雨音へ〉
手紙はそこから始まった。
―――――――――――
ごめんな。
突然お前の前から消える事になって。
この手紙を読む頃には
俺はお前の側にいないんだな。
そう思うとすごく胸が痛む。
雨音……
ごめん。
ずっと一緒にいれなかった。
雨音の隣にいたかった。
ずっとずっと。
俺はラーゴって種族だ。
最初はお前の命を奪って
生きるつもりだった。
でも
無理だった。
雨音を愛してしまったから。
雨音の笑顔を見る度
すっげー幸せな気持ちになる。
雨音に触れる度、安心する。
だから
死ぬと分かってても
側にいたかったんだ。


