「今日はいっぱい買い物したねぇ。」
「ああ…雨音のばっかだけど…」
俺が言うと雨音は笑う。
――買い物ばかりしていたら気が付いたら夕方。
「帰ろう?遅くなるといけないから。」
雨音が言う。
「……まだだめだ…」
「無理しないで?」
俺が言うと雨音が言う。
「雨音…」
「来年も旅行行こうよ?ね?」
雨音が言う。
だけど
来年はもう……
「響君……?」
明日でもう雨音に会えなくなる。
「どうして響君はそんな悲しい表情するの…?」
雨音が俺に聞く。
あー…雨音…
「ごめんな。」
俺は雨音を抱きしめる。
「…え?響く…」
「雨音、こんなクリスマスイブにしちまって…」
「…平気だよ?響君といれるだけで私は幸せだよ?」
雨音が言う。
「雨音…」
もう
今日でお別れなんだな…。


