“別れ”


それが
近付いてるなんて


思いもしなかった。


ずっと

二人幸せに一緒にいて笑ってるのかと

思ってた……。



誰にだって別れはあるんだよ?


……でも……



私は考えたくなくて…


いつか


響君と離れるなんて
当たり前の事なのに…


考えたくないから考えてなかった。



その時は

近いかもしれないのに。




1番失いたくないものは

響君なんだよ。



なのに……。








「へぇ。早苗ちゃんと旅行!」


――帰宅するとお母さんに私は言う。


「うん!」


早苗…ごめん。


私はお母さんに嘘つく。


だって

事実を言ったら
反対されちゃうから…。


だけど


「…響君とでしょ?」


お母さんがそう聞く。


「え!?」


ば、ばれた!?