「みんなに見られたら…」
「いいじゃん。」
一分一秒の時間が大切なんだ。
雨音に触れていたい。
だって
死んだらもう……
「響君、甘えん坊。」
雨音が言う。
「いいだろ?たまには。」
俺は笑って言う。
もう
あと二ヶ月でさよならだよ。
雨音……。
「響君、大好き…。」
雨音が言う。
「ああ。」
雨音の側にいられなくなる。
悪魔は
死んだら人間とは違う場所へ逝く。
だから神様…
せめて雨音と生まれ変わったらもう一度出会わせて。
その時は
二人が幸せに終わりたい。
それしか
俺には願えない。
何度生きたいと思っても
無理な話だろう。
俺は抱きしめるのをやめると何度も雨音とキスをした。
安心したいからだ。
触れてないと不安なんだ。


