「行くぞ?」
響君は私の手を引く。
は、恥ずかしいよぉ…
だけど
「奥の方まで行こ。」
響君が言う。
…え…
「ひ、響君。怖いよ。」
私はどんどん進む響君に言う。
深くなってくると怖い。
あまり人は周りにいないし…
「悪い。この刻印気になってさ。雨音も見られるのやだろ?」
響君が自分の胸元に触れ言う。
あの刻印と火傷痕だ。
響君
気にしてるんだ…。
「私は気にしないよ。周りの目なんて。」
私は響君の胸元に触れ言う。
「雨音…」
「でも遠い方がいいか。私、ビキニ恥ずかしかったし。」
私は笑って言う。
すると
「確かに。他の男に見られるのはやだな。」
響君が言う。
「出た。ヤキモチ。」
私が言うと響君は笑う。
響君の胸の刻印の意味を
私は早く分かってあげたかったよ、響君……。


