できないんだよ……。
「雨音、そんな悲しい顔するな。例えばの話だし…」
「そ、そうだよね。」
ねぇ
響君。
どうして
突然なんだろう。
今日かもしれない。
明日かもしれない。
みんな
悲しい別れを一度は経験するのかな。
私はその日に近付いて来てるのを知らない。
もっと先だって…
そう信じたかった。
でもね
先とか
ないんだよ。
いきなりなんだ…。
私はそれをまだ知らない。
「あ、そうだ。雨音、来週は海とプールどっちが良い?」
響君が私に聞く。
海とプールかぁ。
だったら…
「海かなぁ。」
「じゃあ行こうぜ。水曜日。俺、海パン買ったし。」
響君が言う。
響君の海パン……。
わぁ…
なんかドキドキかも。
「雨音、妄想しただろ?」
響君がにやっと笑って言う。
はいー!?


