また


彼女を泣かせた…。


この世で1番大好きで
大切な


彼女を……。



「……ん……」


しばらくして目が覚めると夕方。


もう


こんな時間か。


自分の意思に関係なく完全な悪魔になってしまった俺。


だけど


記憶はある。


雨音がずっと泣いてた。


俺は雨音に痛みを与えた。


雨音の声、ちゃんと届いてた。


俺が


自分を取り戻したのは


雨音が泣き叫んだ時。



恐ろしい悪魔の血が全て抜けたかのように


俺は自分を戻し


意識を失った。


雨音の痛みは俺には痛くない。


体より


心だ。


雨音に自分があんな事するなんて…


自分が恐ろしい。



……あ……


雨音は俺の隣で気持ち良さそうに眠ってる。


愛しくて堪らない。


俺が消えたら


雨音はボロボロになるのかな?


それが怖い。