「家まで送るよ。」
しばらく私を抱きしめた後、響君はそう言った。
「……うん。」
響君はずっと寂しい表情。
響君……。
「……響君。」
私はギュッと響君の手を握る。
「……ん?」
響君は私を見る。
私……
「今日は一緒にいてあげる。」
私は響君に言う。
「は?いいのかよ?お前…」
「ふ、不安だから!そんな響君の顔見たら…」
それに
もっと一緒にいたい…。
だけど
「悪いけど今日はだめだ。」
響君が言う。
「……なんで?」
私は響君に聞く。
「…雨音にだけは自分の弱いとこ見せたくねぇんだよ。」
響君が言う。
「見せたっていいよ!私…」
気にしないし…
「俺が嫌なんだよ。」
響君が言う。
響君…
「悪いな。分かってくれ。」
響君……。


