「到着!」
家に戻ると響君が言う。
「あ、もう外真っ暗…」
夕方みたいだ。
「悪かったな。せっかくのデートなのに突然悪魔界行く事になって…」
響君が言う。
響君……。
「ううん!楽しかったよ。響君の地元に行けたんだよ?彼女って認められた感じがして嬉しい…」
私はにっこりと笑って言う。
すると
――ドキッ
響君は突然私をギュッと抱きしめる。
「響く…」
「悪い。しばらくこうさせて…」
響君の声が
いつもより少し弱々しく感じた。
響君はよく私を抱きしめる。
そうされるのは
大好きだけど……
不安になる。
響君が離れちゃうんじゃないかって。
そんなわけないのにね。
「ねぇ…響君、どうしたの…?」
だけど
響君は何も言わなかった。
悪魔界で何かあったの?
ねぇ
響君………?


