「そうか。頑張れよ。」
響君はマルク君の頭を優しく撫でて言った。
そんな響君は悪魔とは思えないほど
優しい表情をしてた。
響君は何かあったのかな。
さっきまであんなに家を嫌がっているようだったのにな。
きっと
良い事があったんだね。
「お母さん、お兄ちゃんの事すっごく心配してるんだよ。」
マルク君が言う。
「……え……」
「僕も、お父さんもお母さんも寂しいんだよ。また帰って来てね。」
マルク君が言うと響君は笑った。
「よし、行くか。雨音。」
「あ、うん。バイバイ!マルク君。」
私が言うとマルク君は笑った。
響君と私はその後、すぐに帰った。
ねぇ
響君。
私は知らなかったよ…。
響君がどんな気持ちで悪魔界に行ったかなんて…
最後だからあんな表情してたなんて
思ってなかった。
響君はずっと
私の為に…


