俺は離れるんだよ?
雨音……。
雨音の事、苦しめる事になるんだよ?
苦しかった。
雨音の気持ちを思うと…
雨音……
ごめんな……。
俺は
お前の側にずっといてやれない。
でも
消える瞬間までは雨音の側にいたい。
最後には苦しむ雨音を残す事になるのに。
俺は最低ヤローだよ。
「…そうか。君なら安心してルークを任せられる。ルークを頼む…」
親父が雨音に言う。
親父……。
「……はい!」
雨音は明るく答えた。
雨音が出て行くとわかると、俺は魔術を使い、透明になる。
雨音は俺に気付かないまま、また食事会に戻ったようだ。
だけど
「そこにいるんだろ?」
まだ部屋に残ってた親父は気付いてた。
相変わらず勘が鋭い奴……。
俺は魔術を解き、透明になるのをやめ、部屋に入る。


