「そうだったんだ…。」
「あいつらは俺なんか見ちゃいないさ。」
俺はラーゴだから…。
「そんな事ないよ!子供と離れて寂しくない親なんていないと思うよ?」
雨音が言う。
「悪魔界は事情が違うんだよ…。」
「…え…」
両親はラーゴになる運命の俺なんかいらないんだよ。
「……すごい…」
一番高い場所に城がある。
城は空と同化してるかのように黒く、赤いバラに巻き付かれているという外装。
長く続く階段を上って行くと、俺らは城に入る。
「お帰りなさいませ。ルーク様。」
「ひっ…」
雨音はまたびびってる。
そりゃそうだ。
いきなり黒い鬼のお面を被った大勢の悪魔達が迎えるんだから。
「雨音、ここではルトア族で通せ。」
俺は雨音に言う。
「へ?」
「悪魔界の種族の一つ。身元がばれたら俺もお前も危ない。いいか?ここでは悪魔になれ。」
俺が言うと雨音は頷いた。


