「俺は雨音しか見てねぇから。」
俺が言うと雨音は笑う。
すると
「ルーク様ですね。」
いきなり黒い鬼のお面を被った悪魔が俺に言う。
雨音は怖いのか、俺にしがみつく。
可愛い……。
「そうだけど?」
俺は雨音の頭を撫でながらその悪魔に聞く。
「ルーア様がお待ちです。城へ。」
「…わかった。」
俺達はその悪魔に案内され歩き出す。
「し、城って?」
雨音は俺に聞く。
「ん?俺の家。」
俺は雨音に言う。
「え!?もしかしてルーク様って王子様!?」
雨音は俺に聞く。
「俺が王子様ってガラか?王子は……弟だ。」
そう。
ラーゴという運命を抱えず、俺の分まで両親から愛情をもらって育った弟が俺にはいる。
「……え……」
「まぁ、俺は家出少年って感じ。だから帰ってなかった。」
ラーゴだと一番思い知らされるのはここだ。