「…よし、完了。」
叔父さんは呪文が終わると言う。
「雨音、しっかりつかまってろよ?」
「え?あ、うん。」
私は響君にギュッと抱きつく。
「鏡に突っ込む。」
「へ?」
だ、大丈夫なの!?
「響く…」
「すぐ着く。」
響君はそう言うと鏡に飛び越んだ。
ひ、ひゃあああ!!
空気が違うと感じたら私は響君の体から離れ、周りを見渡す。
「……え……」
私達が立っているのは紫の雲の上。
黒い空に包まれてる。
こ、怖い……。
響君の家よりもずっとずっと…
真っ赤に染まった家ばかり。
ガラが悪そうなおじさん、かなり胸を露出した悪そうな女の人、顔にたくさん傷を作ってる男の人……
すごい…
まさに悪魔って感じだ……。
しかも
空には大量のコウモリとカラスが飛んでる。
私
とんでもない場所に来たみたいだ…


