「響君、どこ行くの!?」


私が聞くと彼はにやりと笑って答えない。


彼とは今日出会ったばかり。


突然、一緒に帰る事に。


黒澤響……。


長いふんわりとした黒髪に時々紫色に光って見える綺麗な瞳…


綺麗な顔立ち。


細い身体……



彼に見つめられると身動きがとれなくなりそうになる。



彼はカッコイイ。


だから


クラスの大半の女子が騒いでた。


だから


私もついドキッとする事はある。



彼は朝、しつこく先輩からつきまとわれて困ってた私を助けてくれた。


だから、良い人だと思ってたんだけど……


「そうだ。朝のお礼してもらってなかったな。」


彼が私に言う。


「……え!?」


お、お礼!?


「今から俺の言う通りにしないと大変だよ?」


「えー!?」


な、何ーっ!?



彼は悪戯な笑みを浮かべてる。


もしかして


この人………