「…じゃあ、約束な?」
「うん!」
俺と雨音は指きりをした。
この旅行が俺の最後に雨音と過ごす時間になる。
最後の時間……。
「楽しみだなぁ。私もバイトしようかな?」
雨音が言う。
「雨音はだめ。」
俺は雨音に言う。
「なんで?」
雨音は俺に聞く。
「バイト先で浮気されたら嫌だからな。」
「しないもん!そういう響君はどうなの!?」
「しねぇよ。」
俺は雨音以外の女だめだし。
「でもバイトって大丈夫なの?響君、悪魔じゃん。」
雨音は俺に聞く。
「大丈夫。叔父さんに手配してもらうよ。」
叔父さんは俺が人間界で過ごせるよう良くしてくれた。
俺にはないが、叔父さんは人を操る魔術を持っているから。
バイト先も簡単に決められる。
ずるいけど…
悪魔だからずるくていいんだ。
だって
最後の時間は
大切にしたいから…


