「響君?」
雨音は俺を見る。
「……ん?」
「あの人、もう来ないよね…?」
雨音は俺に聞く。
昨日の奴の事か。
「大丈夫。ボコボコにしたし。」
俺は笑って言う。
本当は大丈夫じゃない。
叔父さんから聞いたけど……
ラーゴ迫害は珍しくない。
迫害されて消えるラーゴ、極上の魂を手に入れないまま死ぬラーゴ。
今のところ、その2パターンしかない。
俺の誕生日まで
なるべく雨音の側にいなければならない。
雨音は狙われる身。
絶対に守るんだ。
雨音だけは失いたくない。
生きてる間は雨音とたくさん一緒にいたいんだ。
体験学習をして昼食を食べると俺らは電車に乗り込む。
「もう帰るんだ…。早いね。」
雨音が言う。
あっという間だったな…。
修学旅行……。


