「雨音の家ってどこ?」
学校が終わると俺は雨音に聞く。
「け、K公園の近く…」
雨音が答える。
「お、俺の家近い。」
俺はそう言う。
偶然だ。
俺の叔父の家もK公園の近くだ。
「そ、そうなんだ…」
雨音が言う。
「一緒に帰る?」
俺は雨音に聞く。
「……え……」
――ポトッ
雨音は持ってた英語のテキストを落とす。
すると
「雨音〜。ごめん!今日、彼氏と帰るから。」
雨音の友達が来て雨音に言う。
「そ、そう…分かった。」
雨音は友達に言う。
チャンスだな…
「じゃあ俺と帰ろうぜ。」
俺は雨音に笑って言う。
「……え……」
雨音は戸惑った表情。
「黒澤君と帰りなよ、雨音。」
雨音の友達が言う。
だけど雨音は黙り込む。


