【長編】ホタルの住む森


「晃ならすぐに新しい恋人が見つかるわ。
すぐに枯れる切花に愛情を注いでも無駄よ。
あなたと共に大地に根を張って花を咲かせるのは私じゃない。
…もう私の事は放っておいて」

耐え切れずに頬を伝った涙を晃が唇で追いかけた。

「放っておける訳ないだろう?
君でないとダメなんだ。
君だからこそ僕は強くなれるし、こんなにも求めるんだ。
『何かができる誰か』じゃなくて君が君だから大切で、好きなんだ。
どうしてわかってくれないんだ?
僕は男だから、君じゃなくても抱けないってことはないよ。
偽りの恋なら出来るかもしれないさ。
だけど、抱きたいと思って抱くのは君だけだ。
心から愛することができるのも君だけだ」

晃の言葉が胸を抉った。

私だって同じ気持ちだ。

晃だからこそこんなにも愛しい。

晃の為だからこそ苦しくても耐えられる。

晃が望むなら…私はどれだけでも強くなれるだろう。