「…一年…そう言われたのか?」
「今日の定期検診で…それ以上生きられるように一緒に努力しようってお医者様に言われたわ。
でも実際にはそれが限界だっていう事だと思う」
「それ以上生きる努力をしようって言われたんだろう?
だったらその一年間で君を治す方法を見つけるよ」
「治す?そんなの無理よ。治療法があればとっくに治っているわ。
現代の医学で私の病は治らない。
薬も麻酔も効かないこの体では、心臓を移植することも出来ない。
私は死を待つしか出来ないのよ」
「僕が何の為に医者を志したか知っているんだろう? 君は必ず僕が治す。
僕は運命に導かれて、君の病気を治す為に出逢ったんだよ」
「でもたった一年でなんて無理よ」
「無理でも構わない。
やるしかないんだ。僕は君を失いたくない。
何があっても最後まで諦めるものか。茜がいない毎日なんてもうごめんだ。
君が桜の花びらだけを残して連絡を断ってから何度追いかけようと思ったか」
抱き締める腕に力が入る。
晃の心の叫びが胸を裂き、息もできない。
彼の声も身体も小刻みに震えて、まるで全身で泣いているようだった。



