【長編】ホタルの住む森


最後に会った日を思い出して胸が痛んだ。

目覚めた時、私がいなかったことを晃は怒っているのだろうか。

「茜…僕は心を決めてここへ来たんだ。
君がどんなに嫌がっても、どんなに拒んでも、僕は君を手放す事なんて出来ない」

「あき…ら…。ダメ…。私は…」

ずるいよ晃。

そんな風に言われたらあなたの腕に飛び込みたくなる。

「僕の気持ちを聞いて?茜…僕は…君以外の女性を愛せない」

ズキン…

そんなこと無いよ。

晃がその気にさえなれば、どんな女性だってあなたを好きになる。

そう言いたかったのに…声にはならなかった。