「どうして?クス…わからない?」
私はあなたから逃げたのに…。それでも私と生きる道を選ぶと言うの?
私の時間はあと僅かで、もう未来は残されていないとわかっていても。
どんなに離れようとしても離れられないと、心は求め合っている。
それを認めないわけにはいかなかった。
「…ホタルを見にきたの?」
私の声が震えていたのをあなたは気付いたかしら?
晃を取り巻くように飛びかっていたホタルが一斉に舞い上がって無数の淡い光に、はっきりと微笑む姿が浮き上がる。
「いや…君に会いに来た。」
「どうして私がここに来るって…っぁ、蒼と右京ね?」
「そう、二人が協力してくれたんだよ。
ついでに言うなら蒼には『茜から良い返事をもらうまで家に帰さなくても良い』と拉致監禁の許可まで貰っているんだ」
「なっ…バカなこと言わないで?」
「クスクス…どうするかは君の返事次第だね。
場合によっては本当に良い返事がもらえるまで閉じ込めてしまおうかな?
…この間みたいに桜の花びらだけ残して逃げ出されるのは困るからね」



