「大丈夫?
少しは落ち着いたようだけど、まだ顔色が悪いね。
やはり貧血気味なのかな? 念のため診ておこうか」
茜の意識を追いかけて、深く自分に入り込んでいた陽歌は晃の声にハッとして現実に戻った。
心配そうに見つめる晃の琥珀色の瞳を見つめ返し首を振った。
「大丈夫、どこも悪くないわ。ただ…茜さんを感じていただけ」
「茜を…? どういうこと?」
「私の中には彼女の強い想いが眠っていて、あなた達にそれを伝える為に私はここへ呼ばれたの。暁君がまだ起きていたら呼んで貰えませんか?」
「俺ならさっきからここにいるんだけど?」
背後から暁の声が聞こえるのと、晃が不思議そうに頷くのは同時だった。
驚いて振り返ると、そこには腕を組んで壁に寄り掛かった暁がニヤニヤと笑っていた。
「完全に二人の世界で全く気付いてないのな。…ったく、いつまで玄関で抱き合ってるつもり? 右京父さん達が玄関先でイチャついているようだから入れないって、俺にボヤキメールを送ってきたんだけど?」
暁は可笑しくて堪らないと、肩を震わせて笑っている。
陽歌は頬が染まり、耳まで熱くなるのを感じた。



