【長編】ホタルの住む森


生きることも死ぬことも出来ず、愛する者の幸せをただ見つめていく茜を思うと、どうしても自分と晃の運命を素直に喜べなかったのだ。

哀しい愛し方をする茜が可哀想で、居ても立ってもいられない衝動に駆られる。

茜と自分は同じ物を見、同じ感情を共有し、16年間ずっと一緒に生きてきた一つの魂なのだ。

茜を助けたい、幸せにしてやりたいという、強い感情が込み上げてくる。

必死に遠のいていく茜の感情を手繰り寄せ、陽歌は呼びかけた。


教えて…。

ねぇ茜さん、教えて。

あなたの背負った二人の罪とは何なの?

あなたの死の意味とは何だったの?

解らない…。何故?

何故、晃先生の運命の女性があなたではなく私なの?

私だけが幸せになるなんて嫌よ。

ねぇ…どうしたらいいの?

どうしたら…あなたを幸せにしてあげられるの?