【長編】ホタルの住む森


時の流れに逆らうように愛し合った激しい恋とは対照的な、穏やかな気持ち。

その感覚が心地良くて、もっと彼女を求めてしまうのだろう。

それが恋であるかは別として、惹かれているのは事実だった。


小さな星が「それでいいのよ」と茜の声を運んでくる。

その声に背中を押され携帯を取り出すと、陽歌の番号を表示した。

一旦深呼吸をして、今度は迷わずボタンを押した。

陽歌に何を伝えればいいのか…

この気持ちが本当に恋なのか…

考える余裕は無かった。

ただ、会いたい…

そう思った。