晃は寝室の窓から、たった一つだけ光る今にも消え入りそうな小さな星を見つめていた。
暁に言われた事を心の中で反復しながら、自分の気持ちを見つめなおす。
たとえ婚約者がいても構わない。もう一度会いたいと思う気持ちに偽りは無かった。
「茜…僕はきっと彼女に惹かれているんだね。でもその気持ちを認めると君を失ってしまう気がして…怖いんだ。彼女への気持ちと君への想いはまったく別なんだ」
まばたきをする一瞬すらも大切にと、短い時を燃え尽きるように激しく愛し合った日々。
身も心も、命さえもひた向きに捧げた茜への想いはまさしく激情と呼ぶに相応しい。
だが陽歌への気持ちはまったく違う。
出逢った瞬間から感じていた温かなものは、まるで春の陽だまりの中でまどろむ時間のように静かで穏やかだ。
茜を失って以来、胸に開いたままの穴が、優しく満たされていくようだった。



