長いキスからようやく開放された陽歌は拓巳に組み敷かれ、畳の上に横たわっていた。
唇が首筋を滑り徐々に下へとさがっていくのを感じて身を硬くした。
だが僅かな抵抗はすぐ閉じ込められ、徐々に肌を露にされていく。
覚悟をしたつもりでも身が竦んだ。
「陽歌…。全部忘れてしまえ。俺を求めてくれ」
何度も囁かれる心を蕩(とろ)かす魔法の声。
脅える体を宥める手の優しさに、迷うことの無い愛情を感じた。
茜ではなく陽歌にだけ捧げられる真っ直ぐな気持ちがとても嬉しかった。
拓巳はきっと幸せにしてくれるだろうと思った。
陽歌はゆっくりと手を伸ばすと、拓巳の首に腕を回した。
これでいいのだと、目を瞑って拓巳を引き寄せようとした。
だが、拓巳はビクともしない。
不思議に思って目を開けると、拓巳は目を細くして探るように陽歌を見ていた。



