「彼女に連絡は取れたのか? 蒼が心配していたぞ。おまえの事だからまた、徹夜で記憶についての症例みたいのを調べているんじゃないかってさ」
「蒼は心配性だなぁ。大丈夫だよ、少しは寝たし…。それから如月さんだけど、体調が悪いらしくて今日は無理だそうだ」
心の動揺を右京に気付かれないようになるべく平静を装って言うが、右京には何か感じることがあったらしい。
ふうん…と鼻を鳴らすと探るような流し目で見てくる。
「やっぱり調べてたのか。で、婚約者ってのは?」
「…彼女の携帯に電話したら、男性が出たんだよ。同僚で婚約者だと名のった」
右京は何かを考え込むように腕を組んで上目遣いに晃を見た。
右京のこういうときの目が晃は苦手だ。
普段は自分のほうが冷静で右京をからかって遊んでいるのに、変なところで彼は妙にカンが鋭く、晃が隠したい心の動揺を直ぐに察知するのだ。
右京に追求されると心の奥まで見透かされるようで、嘘がつけなくなる。



