右京の気迫に息を呑む。
茜に続いて右京までもが怒りを露わにしたことで晃は呆然とした。
茜の行きそうな場所を蒼から聞き、外へ飛び出していく親友の後ろ姿を見つめながら、先ほどの右京の台詞を心の中で反復する。
『どれだけ考えても解らないヤツに茜を幸せにすることなんてできないぜ。その時は茜を諦めろ』
茜を諦めるなど出来るはずがない。
確かに多少冷静さを欠いていたかもしれないが、時間に追われる二人だからこそ、一秒でも早く一秒でも長く夫婦として共に生きたいと願うのは茜だって同じだと思っていた。
それなのに何故?と浮かんでくるのは疑問ばかりだった。
「晃君って、もっと頭の良い常識人だと思っていたけど、結構鈍感でバカなんだね?」
蒼が呆れたように言うのを聞いて、晃はこの部屋に残っているのは自分だけではなかったのだと思い出した。
「…どういう意味さ」
ムッとする晃に蒼はソファーに掛けるように促す。
晃はゆったりとしたソファーに沈み込むように体を投げ出すと、イライラと腕を組んだ。



