昨日は勢いに押されてプロポーズに応えたが、本当は結婚なんてしたくなかったのでは無いか?とか、もしかして茜は初恋の右京の事を忘れていないのではないか?とか、普段なら絶対に考えないことばかりが脳裏に浮かび、胸の中にどす黒い気持ちが芽生えてくる。
長い付き合いの右京は晃の変化に気付きストップを掛けようとしたが、もう遅かった。
晃は基本的に人と争う事を嫌い、出来るだけ穏便に物事を進める平和主義者だ。
だが、ひとたび譲れないと決めると突然強引なタイプに豹変する事がある。
まるで別人格が乗り移ったかのように俺様で強引な男になるのだ。
「僕と結婚するって決めたんだろ?
それとも今になって結婚するのが嫌になったっていうのか?」
「そんな事言ってないでしょ?
別に結婚が嫌なんじゃないわ。
でも生涯でたった一度の事だから、ちゃんと時間を掛けて準備したいだけよ」
「準備が間に合えば文句は無いだろう?
手配は全て僕がするからお前は黙ってみてろ」
茜の気持ちを全く無視した俺様発言に「バカ」と右京が小さな声で呟いた。



