長女の沙紗の婚約者、瑠衣までもが帰国するというのであれば、蒼に反対することはできない。
しかも後見人である両親をアメリカから呼び戻す念の入れように、右京は思わず唸った。
執着心の薄い彼がここまで強引なやり方をするのは珍しい事だ。
こうなると誰にも止められないことは、過去に周囲の大反対を押し切って留学した経緯からも良く解っている。
暴走した晃を宥める術は無く、茜に同情した右京は深く溜息を吐き肩をすくめた。
その仕草を「どうせ止めても無駄なんだろう? 好きにしろよ」という意味だと勝手に解釈した晃は勝利の笑みを浮かべた。
だが茜は強引な晃のやり方に納得できないでいた。
「無理よ晃。ドレスもブーケも用意しなくちゃいけないのよ。
時間が無さ過ぎるわ。こんなのは嫌。私の意見も聞いてよ」
「ドレスなんてレンタルですぐに用意できるだろ?
ブーケだって花屋に言えば無理にでも作ってもらえるさ。
なんでそんなに渋るんだよ?」
結婚式に後ろ向きな発言に晃は珍しく苛立ちを露わにし、声を荒げた。



