「…父さん、彼女は誰だと思う?」 晃はベッドに横たわる陽歌を見つめ、記憶を探った。 「僕の名前を知っていたって事は、逢ったことがあるんだろうなぁ。 記憶に無いんだけど…昔診た患者さんかな?」 「…それは無いだろ? 『晃先生』ならまだしも『晃』って呼び捨てにしてたぜ?」 「…そうだね。女性に『晃』なんて呼ばれたのは随分久しぶりだよ。 …一瞬だけど、茜が還ってきたのかと本気で思った。 …どうしてだろうね。彼女と茜は全然似ていないのに」 雨足は一層強くなった。