自分の名を呼んで意識を失った女性を抱き上げると、晃は診療所のベッドに横たえた。
「やっぱり父さんの知り合いだったのか?」
そう訊かれても、晃には全く記憶には無かった。
「いや、知らない。でも、何だか懐かしいような気がして…。
なんだろう? 初めて逢った気がしないんだ」
「あぁ、そうだな。俺もそう思ったよ。この人の瞳のせいかな?
なんて言うか…温かくて優しくて…すごく懐かしい気がした」
「…多分、彼女の瞳が茜と良く似ているからだよ。
星を散らした夜空のような綺麗な瞳だったね」
「…ああ…そうか。
だからずっと前から知ってる人みたいな気がしたのかもしれないな」
二人は机の上の写真に目をやった。
そこには静かに微笑む茜の写真があった



