【長編】ホタルの住む森


涙が溢れだし、彼の姿が滲んでゆく。


濁流のように迫ってくる愛しさに、胸が押し潰されそうだった。


気が付いたら彼に歩み寄り、両手を伸ばしていた。


ただいま……晃…


無意識にそう呟くとそれが合図のようにふらりと視界が回った。


薄れゆく意識の中で、陽歌はもう一度その名を呼んだ。


…晃…逢いたかったわ…