春まだ浅い、茜色の空に旅立った君。
だけど7年目の今日、君は天使となって僕らの元へと還って来た。
その日、僕らの住んだ家の庭の大きな桜の木が、何の前触れも無く一斉に満開になった。
それは君が還ってきた事を喜んで咲いたものなのか
それとも君が命をかけて産み落とした暁の成長を祝福したものなのか
あるいは…君が再び巡り逢うまで忘れぬようにと咲かせたものだったのか
僕には今でもわからない。
ただ、ひとつだけわかっていることがある。
あの桜も君が還って来ることを望んでいるのだと。
あの日から桜は君を待ちわびるように花をつけるようになった。
君が再びこの丘を踏みしめて君の瞳でその桜を見つめる日を…
僕はずっとここで待っているよ。
++ 天使の椅子 Fin ++



