「お誕生日おめでとう暁」
先にグラスを上げて微笑んだのは右京だった。
「暁、入学おめでとう」
蒼は母の面影を残す笑顔で暁に微笑んだ。
「茜…天使になった記念日に…おめでとう」
最後に静かにそう言った晃の顔はとても穏やかで幸せそうだった。
「さとる~おたんじょうびおめでとう。
あんずね、さとるだぁいすきっ」
小さな天使が暁に祝福のキスを贈る。
同時に二人の小さな天使を包み込むようにフワリと舞った桜の花びらに、誰もが茜の心を感じた。
あなたを産んだ事誇りに思うよ
…暁…幸せになって…
ずっとずっとみんなを愛しているよ
――ずっとずっとみんなの幸せを見つめているからね――
静かな幸福に包まれた時間がその場を包み込む。
桜はクスクスと笑うように枝を揺らし
そのたびに降り注ぐ花びらは皆を抱きしめるようにヒラヒラと風に舞った。



