そんな晃の様子を気にする事もなく暁は父を見て満面の笑顔で桜の木を指差す。
「ほら、お父さん。あそこに天使がいるんだよ。
見える?僕ね誕生日のお祝いにお母さんに会いたいって天使にお願いしたんだ。
そしたら、死んでしまった人に会うのは無理だけど、代わりにお母さんの大好きだった庭に桜の花をもう一度咲かせてくれるって言ったんだ」
「天使は…暁と一緒に生まれたって言ったんだね?」
「うん」
ハラハラと振ってくる桜の花びらに、晃の胸には懐かしい桜の散華する風景が蘇っていた。
胸の中に確信が広がる。
暁をギュッと抱きしめ優しく微笑むと、暁に問い掛けた。



