「晃は私が遠くに行ってしまうと思っているの?」
ふいに茜の言った言葉に我に返った。
「茜…?」
茜は僕の胸に顔を埋めてごめんねといった。
「晃を一人で残して逝く事を許してね。
私はずっと晃といたかった…」
「茜、やめてくれ。
君の口からそんな言葉を聞きたくなんか無い」
僕は茜の言葉をさえぎるように叫んだ。
叫ぶつもりなんて無かったけれど自分でも止められなかった。
苦しくて苦しくて、心の中に渦巻く不安と怒りと悲しみを顔に出しているだろう自分を見られないようにするために、茜を胸に閉じ込め、決して逃げないようにと抱きしめる。
茜は驚いたように一瞬身を捩ったが、すぐに僕の胸の中に体を預けてきた。



