「茜、お願いだから… 僕はそんな危険を冒してまで子供が欲しいわけじゃない。 むしろ、君と過ごす時間が少しでも穏やかで長くあって欲しいんだよ」 そう、それが僕の切なる願い…。 現代の医療では原因さえわからない心臓の不具合を抱えた茜の残された時間はそんなには長くない。 医者の卵である僕には、明らかにその日は近付いているのが分かる。 僕が医者になるより先に茜が僕の元から去ってしまう。 それは僕にとって何よりも辛い事だ。 せめて、僕が一人前になるまで生きていて欲しいんだ。