赤ちゃんが出来たの…

そう告げたときのあなたの顔を私は絶対に忘れない。

危険は百も承知だったけれど、私はどうしても産みたかった。

私の夢でもあったし、何よりも私の逝った後、独り残される晃に何かを残していきたかった。


私の命を受け継ぐものを…。


晃は、ずいぶんと悩んだようだったけれど、数日後、結局私の強い意志を貫くことを許してくれた。

ただし、生まれる前に妊娠が原因と思われることで私の体調が著しく悪くなった場合、晃が子供より私の命を取ることを拒否しない事を同意させられた。

それは辛い約束だったけれど、絶対に元気に産んでみせると私は笑って自信たっぷりに答えた。


どんなことをしても産んでみせる。


私のすべてをかけて…。