頬を伝う柔らかな感覚でふと我に返った。
晃が私の頬をなでている。
「おかえり…目が覚めた?」
晃がとても嬉しそうに笑っていた。
窓から差し込む夕日はもう、夜の気配の中に沈みゆこうとしている。
晃は薄暗い部屋の中で私に左手で腕枕をし、抱きかかえるようにベッドに横になっていた。
いたずらっ子のような瞳で覗き込んでいる。
先ほどまでの自分を思い出して急に恥ずかしくなり、体が隠れている事を確認してホッとする。
その様子がツボにはまったのか、晃はおかしそうに喉を鳴らしてクックッと笑ってる。
悔しくてむっと頬をふくらませると、おかしい顔ってますます声を上げて笑って腕枕をしたままの左手で私の頬をプニッと摘まんだ。
その時初めて、私たちがまだ互いの手を握り締めたままだったことに気付いた。



