電話を切ってから、涙が止まらなかった。

これでいいんだよね。
誰とも付き合わなければ
いいんだよね。
そしたら雅之も真人も
お互い同じ傷ですむ。
こんな事しか出来ない弱虫でごめんなさい。

真っ暗の外で泣いていた。
月明かりに照らされながら。月が『大丈夫だよ』と慰めてる。そんな気がしながら、声を殺して心で何度も謝りながら、ひたすら泣き続けた。