窓のない窓際

 
女にハマるなんて普段の俺ならありえない。


でも、なんか今日は仕方ない気がする。


今日くらいいいか。


今日くらい、夢中になっても……。


「やっぱりお金払うよ!」


会計を終えてレストランを出ると、水上はずっとこればっかり。


「いいよ。
俺が勝手に注文したんだから、気にすんな」

「でもっ……!
宮本くんだって学生だし……そんなにお金……」


幸い、お金には困ってないんですボク。


遊んでやってるお姉さん方が次から次とお小遣いを……って絶対言えねーけど。


「とにかく気にすんな!」

「でも、映画代も払ってもらっちゃったし……。
お昼までごちそうしてもらうなんて……」


「いーんだよ、俺がお前のこと無理やり誘ったんだから。
払って当然だろ」


「でも」と言い出しそうになった水上の口を片手で塞ぐ。


「いい加減にしろよ!
このままじゃ無限ループだろ」


すると水上は不満そうな表情を浮かべつつも、コクンと頷いた。


「それよりさ」


俺は水上の顔を覗き込んだ。


「映画!
映画どうだった!?」


そう訊いた瞬間、水上の動きがピタリと止まった。